うつ病などの心療内科・ストレスケアの専門病院「関西記念病院」

ストレスケアユニットのコンセプト

メイン

現在、世界的に“うつ病”患者が増加しており、多くの人々が苦しんでいます。同時にその社会的・経済的損失も莫大なものになっています。
ひと言で“うつ病”といっても、そのタイプはさまざまです。現代型うつ病(ディスチミア親和型うつ病)と呼ばれるような、従来の治療薬である抗うつ薬の効果が出にくい患者さんも増えています。
うつ病の背景には個々人の罹りやすい体質があります。そして現在の生活環境*や労働環境**が発病を促進し、同時に社会復帰を妨げる要因となっています。
このような現状の中、当院のストレスケアユニットはさまざまなタイプのうつ病に対して、回復や復職を支援できる「トータルなうつ病診療・リハビリテーション」の提供を目指しています。

「生活環境」
夜間活動の増加、ニコチン・アルコール・カフェイン・砂糖・脂肪の過剰摂取、運動不足、孤立、経済的苦境、いさかいなど

**「労働環境」
負荷の増大、裁量権の減少、上司や同僚からのサポート不足、労力と報酬・待遇の不釣り合いなど。
うつ病の回復期において職場からの性急な復帰要請(強制正常化)が強く、それ故に十分なリハビリが行えず再発をくり返すこともある。

治療方針

うつ病とは、

  1. 憂うつな気分
  2. 興味・関心・感情・活動性などの低下喪失

を中心的な症状とする病気ですが、実際の現れ方*はさまざまです。しかし一様に脳の神経細胞の働きの変化が関係しており、十分な検査と積極的な薬の治療**が必要です。放置すれば生活の混乱、家庭の崩壊、失職につながることも多く、決して“心のカゼ“と軽視することはできません。そして“カウンセリングすれば治る”ようなものでもありません。
私たちストレスケアユニットでは、薬物療法で脳細胞の治りやすい条件をつくった上で

  • 規則正しい生活・適切な栄養摂取
  • 精神療法(呼吸法や考え方の工夫・トレーニングなど)
  • リハビリテーション(体操、職業的課題遂行、グループワークなど)

これらを併用して、身体全体の回復を促進していきます。


「現れ方」…

メランコリー親和型うつ病…まじめで周囲に気を遣い、自分を後回しにするタイプの人がかかりやすいとされ、不眠・食欲低下・自責感の強い従来のうつ病です。

ディスチミア親和型うつ病…過眠・過食・他人を責めたくなる気分などが生じやすく、最近増加していると言われています。

双極性うつ病(躁うつ病にともなううつ状態)…うつ症状だけでなく、不思議と調子のいい感じや強いイライラ感・怒りっぽさ・浪費・衝動行動をともないやすい。

以上のうつ病の要素はしばしば混じり合うことがあります。

**「薬の治療」
精神安定剤、抗うつ剤、気分安定剤などによる薬物治療です。

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取り組み

私たちストレスケアユニットは「効果的な薬物療法」と「最短距離の回復」を目指して、さまざまな取り組みを行っています。

効果的な薬物療法を目指して

  • 過剰な薬物投与はしません。必要な薬は十分な量を使用していきますが、余分な睡眠剤・依存性のある安定剤などは常に漸減・中止を目指します。
  • 患者さんが「医療依存症*」に陥らないように胃薬・鎮痛剤・ビタミン剤・点眼薬・湿布薬も安易な処方を控えています。
  • 入院中に身体合併症が疑われた際には、地域の総合病院などと連携して治療を受けていただきます。
  • 薬が増えすぎないように、また予期せぬ副作用の発生を極力早期発見するために、血液検査などを適宜行います。

最短距離の回復を目指して

  • 患者さん自身の工夫・セルフコントロール・努力*を損なわないために、過剰なサービス提供をしないように心がけています。
  • 生活を整えるためのアドバイスを積極的に行います。
  • リハビリテーションにもしかるべき時期には積極的に参加していただきます。

 

「医療依存症」…
自分は”全てを医療に頼り、何とかしてもらうように要求し続けなければ健康になれない人間である”と思い込んでしまうこと。

**「努力」…
患者さん自身が自分の回復力を最大限に発揮して、回復を図ろうと積極的な立場をとっていただくことが不可欠です。

病棟紹介

介入・治療に必要な道具としての病棟。

治療という介入においてまず安心を与えることが第一であり、一方で苦痛をできるだけやわらげることが大切であると考えます。
そのためには環境要因や治療要因の整備が必要であると私たちは考えています。
病棟では患者さんの回復に向けて、脳神経系を含む身体の十分な休息とリハビリテーションのため、静かさとアメニティ(過ごしやすさ)の確保を重視。(環境要因の整備)
同時に自由度が高く、開放的な環境の維持に努めています。(治療要因の整備)
しかし当病棟が“良い病棟”であるためには、患者さんの協力が欠かせません。そこで病棟内では以下のことなどを患者さんとお約束させていただいています。

  • 静かに過ごす
  • 喫煙をしない
  • 過剰な物品を持ち込まない
  • 他の患者さんに干渉したり個人情報を尋ねない
  • お互いに金品・食品のやり取りをしない

ストレスケアユニットは患者さんと一緒につくる、良い病棟を目指しています。

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院長のあいさつ

関西記念病院ストレスケアユニットは、現代に働く人をサポートできる医療の提供を目指しています。
職場や家庭といったさまざまな社会環境が変化する中で、心身症・うつ状態・睡眠障害・適応障害・ストレス関連疾患などを抱える人が増えています。その一端は気軽に立ち寄れる神経科クリニックへの受診者の増加という現象に現れています。
しかし受診中のクリニックで「病院での入院治療が最適」と判断されても、従来型の精神科病院では旧態依然とした病棟構造への抵抗感があり、さらに現役会社員の復職支援プログラムが必ずしも十分でない場合もあって、入院を躊躇しがちです。また総合病院精神科などでは臨床心理士やソーシャルワーカーなどのコメディカルスタッフに恵まれないことも多く、患者さんは入退院を頻繁に繰り返しているため、万全なリハビリテーションを受けづらい面があります。さらに病院によっては、いわゆる箱物としてストレスケア病床をつくり、アメニティの良さを“売り”にしていても、その裏付けとなる専門的医療やリハビリテーションがともなっていないケースが見られます。
私たち関西記念病院ではこのような現状を鑑み、うつ病治療に最適化させた構造の病棟と専門的な治療・看護・リハビリテーションのプログラムを準備して、心療内科ストレスケアユニットを開設しました。
耳あたりの良い“心のケア”などという言葉をお題目のように唱えるのではなく、患者さんの回復力を引き出し、実際に復職を効果的に支援していくことを目指しています。

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